日記帳 2005-09


2005-09-20

『泉鳳9ポ仮名』計画

 印刷局9ポイント明朝活字を電子化する計画は底本を精査する作業中。底本の候補としては、

 とあるが、ここで国語研究所の二冊は活字組みのオフセット(そのためか字がかなり太っている)であり、それ以外は活版であった。

 しかし、このうち最も古い「日本諸學研究報告 第二十篇(國語國文學)」は字形がこの時代の共同印刷のものと同じであり、印刷局の活字ではなさそうである。当時印刷局は印刷を外注することがあり、共同印刷も受注先の一つであったことから、この本はおそらくその中の一つでないかと思われる。

 また、昭和35年の「衆議院要覧(甲の二)」と昭和50年代の字形を比較すると「う」の形が大きく変化している。これは活字の時代による変遷があったことを示している。

 したがって今回、印刷局活字の電子化の底本としてはこのリスト中の上の二冊を中心とし、補助的に国語研究所の二冊を用いることにしたい。

 雑記。『泉鳳9ポ仮名』という名は、私の一字と旧大蔵省印刷局の紋章である『鳳凰と印の字』から一字を取ったことに由来する(今の国立印刷局でも鳳凰がシンボルである)。ついでに付け加えると、すみ丸ゴシックの改刻(こちらは大きく改変を加える)は『泉燕丸ゴ仮名』である。これは国鉄がかつてバス(今のJRバスでも)などで燕をシンボルとして使っていたため(『国鉄スワローズ』にしてもそう)である。


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