日記帳 2007-07


2007-07-25

彫刻標準書体

 あいかわらず少しずつの作成が続いている。はっきり言って他人の書体を覆刻するのは難しい。自分の書体であればどうとでもなるのだけど。

2007-07-20

東芝Rupoの文字を移植中。

 先人の功績をたどる目的で東芝Rupo JW-R50FIIの24ドットフォントを移植している。最初の和文24ドットビットマップフォントで、初の和文ワードプロセッサJW-10がために開発されたものである(Rupoのフォントは後に変更された)。

 かくして和文ワープロは16ドットでなく24ドットからはじまった。ちなみにマイコンはハードコピーのため16ドットからである。JW-10の後に雨後の筍のように出てきた和文ワープロには16ドットプリンタのものもあったがすぐ廃れた。32ドット時代も比較的短く、すぐに48ドット時代、アウトラインフォントの時代となった。

 もっとも私が知っているのは48ドット時代以降であり、24ドットは古いワープロでちょっと触れたくらいである。

 当時OASYSを使っていたが、16ドットフォントで表示されたRupo JW-95の編集画面はかなり汚いと思った。ちなみにOASYSはモトヤ、Rupo JW-95の16ドットフォントはJIS X 9051(jiskan16)に独自の仮名をくっつけたもの(J-3100なんかと同じ、JW-R50FIIとは別物)である。一方、同じJISでもJIS X 9052は(変な字はあったものの)きれいだった。はっきり言って、書体の優劣にこれほどまで差があるものとは思わなかった。

 後にDR DOSに使われていたjiskan16-2000を見て、長文編集用書体IZMG16を作ろうと思ったのはこの体験が背景にある。

 閑話休題。移植は外字編集画面で一字一字呼び出しながら写す方法である。漢字ROMを取り出して読み出す方法もあるが、動作するものを破壊するのは気が引ける。印刷したものから拾う方法はマージナルゾーン(!)によりドットが消えるのでやりたくないし、プリンタヘッドが大事だ。

 勿論このようなものは自分の所だけで使うことしかできないが、先人の功績をたどる目的なので良いんじゃないかと思っている。

2007-07-16

IZLG24

 出水ゴシック体L 24ドット(IZLG24)を試しにTrueTypeに変換してみたり。……やはりアラがある。『こ』、『す』、『は』、『ひ』、『も』の修正が必要か。

2007-07-12

秀英体改刻

 ベントン彫刻機の原字までさかのぼってOpenType化するとのこと。確かにベントン彫刻機のミゾ型、母型、鉛活字からスキャンしたりするより、紙に大きく書かれている原字を取り込むのが楽なんだろうとは思う。

 しかし、鉛活字のための原字っていうことは、当然マージナルゾーンがない。結構悩みどころでは。DNPのCTSの原字ってどうだったっけ。

2007-07-10

出水ゴシック体設計思想

 出水ゴシック体のうち、IZMG16は元々DR DOSで利用されることを想定して製作が行われた。具体的には、テキストエディタ或いはワードプロセッサ上での長文の読み書きに適するようにしている。そのため、オールドスタイルの和文ゴシック体とした。ちなみにIZMG8は組み込み用、IZLG24はWeb表示用からドットインパクトプリンタでの利用を前提としている。

 従って、この書体はユーザーインターフェース用としては適当ではない。漢字部分は寸法の問題からフトコロを大きくしているが、仮名については可読性を意識して小さくしている。そのため、文章となったときの可読性が高いものの、文字単体での可視性は低い。個人的にはUI用途は全く不適といえる。


Yu Izumi@Izumi Labo,2002-2007
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